こんにちは、ナニワ研磨工業公式通販サイト「TOGIBU」編集部です。
美しい自然と空気に囲まれて、ほっと一息…
キャンプやアウトドアには、日常生活ではなかなか味わえない魅力があります。
趣味として回数も重ねて慣れてくると、徐々に道具の状態が気になってきませんか?
今回はキャンプギアの中でも、「斧(ハチェット)」のメンテナンスについて解説していきます。
【刃物を知る】斧の特徴と包丁との違い
斧の特徴としてあげられるのは、「用途」と「構造」、それらによる「使い方」です。
今回は包丁の中でも、堺の刺身包丁(柳刃包丁)と比べてみましょう。

※使い方は一例です
刺身包丁は魚などやわらかいものを繊細に切る一方で、
斧は、薪割りなどの硬いものをダイナミックに割ります。
同じ刃物でも使い方が異なるため、構造や必要なメンテナンスが大きく異なります。
斧によく起こる不調は、刃こぼれです。
地面に叩きつける工程が、刃先が潰れやすいためです。
防ぎたい刃こぼれ、斧のメンテナンスはいつするべき?
斧のメンテナンスタイミングは、主に3つです。
- キャンプのオフシーズン
- 刃こぼれに気付いた瞬間
- 使いづらさや見た目の悪さが気になった瞬間
コンパクトな手斧は、取り回しが良く、薪割りやフェザースティック作りなど、
ナイフと大型の斧を両立したような使い方ができます。
そのため、用途が広い分、消耗も早くなることが考えられます。
使いづらさを感じた段階で、すばやくメンテナンスしましょう。
また、サビなどを放置しておくとどんどん進行してしまい、
いざ使おうという場面でストレスを感じてしまいます。
まとまった時間のとれるオフシーズンやキャンプに行く前の段階で、状態を確認しておきましょう。
斧のメンテナンス方法 | 斧頭(ふとう)
斧のメンテナンスは、パーツごとに考えます。

刃こぼれを感じたら、まず荒い砥石で大きく削り、少し目の細かい砥石で軽く仕上げます。
粒度に差はあれど、どちらも#1000未満の「荒砥石」でかまいません。
あまりに刃が鋭いと、欠けの原因となってしまうためです。
フェザースティックなどを作りたい場合は、
上記の工程に加えて、#1000の中砥石で仕上げると良いでしょう。
切れ味が上がることで、正確で安全な作業が実現します。
また、細かく仕上げることには、「サビにくくなる」というメリットもあります。
もしサビが気になる場合は、研磨剤入りの消しゴムタイプのサビ取りを使用しましょう。
斧にあった砥石
小ぶりな両面砥石は、1つの砥石で2つの粒度に対応しているため荷物がかさばりません。
腰から下げるケースがついていると、キャンプ場でも臨機応変に対応できるでしょう。
メーカーに"研ぎ直し"を依頼するのも選択肢
メーカーや刃研ぎ屋さんでは、研ぎ直しとして斧の研ぎに対応してくれる場合があります。
後述する柄の交換を前提とする場合があるため、
「柄を交換してほしくない」という方は、事前にサイトなどで確認するようにしましょう。
斧のメンテナンス方法 | 柄(え)
柄は乾燥することで、収縮してしまいます。
そのまま放置しておくと、楔が緩んで「斧頭がぬけてしまう」こともあります。
周囲に人がいないことを確認してから使用するのはもちろんですが、予防のためにもオイルを塗りましょう。
スーパーで販売しているアマニ油などもご利用いただけますが、
念のため木材にあった油をメーカーのサイトなどで確認するようにしておきましょう。
刃物に共通した保管方法
夜露にさらされると、斧頭ではサビが、柄では腐食が進んでしまいます。
また、薪割りをする際に、木のヤニが付着することも大いにあります。
- 使い終わったら綺麗に洗う
- 水分は綺麗に拭き取る
- じめじめした場所と直射日光は避ける
以上の3点は、すべての刃物に共通した管理方法です。
愛用しているギアを気持ちよく使うためにも、なるべくかっこいい状態が続くように保管したいですね。
新しい斧を検討するタイミング
サビが深くまで侵食していると、どれだけ研いでも刃がぽろぽろと欠けてしまいます。
斧の本来の機能が失われている状態のため、安全性の面でも買い替えるのがベターです。
斧の処分方法
斧の処分に困った際は、以下の参考にしてください。
- 廃棄処分 | 刃をつぶした上で、自治体のルールに従って廃棄する
- リサイクル/買取 | 廃棄以外で処分したい(斧単体)
- 不要品回収 | 廃棄以外で処分したい(他のものとあわせて)
斧が活躍するキャンプスタイル/キャンプギア

ブッシュクラフト
日本ブッシュクラフト協会代表理事の相馬拓也氏によると、
ブッシュクラフト(Bushcraft)は、Bush(やぶ)Craft(クラフト)の2つの言葉がくっついて出来た単語です。(中略)私たちの曽祖父やご先祖様がまだ自然と共生していた時代…。家電製品や自家用車が普及していなかったあの頃の話。家には囲炉裏やカマドがあり、お風呂やご飯は薪で焚き、斧やナタを使い、鉛筆はナイフで削り、自宅には畑があり、魚釣りといえばスポーツではなく「食べるため」でした。 彼らが「生活のために普通にやっていたこと」それがブッシュクラフトです。
出典:相馬拓也. "協会案内". 日本ブッシュクラフト協会, https://bushcraftassociation.jp/about-jba/#director, (参照 2025-04-25)
とあります。
キャンプにおけるブッシュクラフトは、
特定の具体的な行動が発生するスタイルではなく、
その場で生活するかのようにキャンピングすることといえるでしょう。
食事そのものや調理器具、燃料としての薪、ときには住環境までその場で調達し整えるのは、
自然との関わりを大きく感じられる行為であり、貴重な体験です。
ある程度キャンプ自体に慣れた方は、トライしてみてもよいかもしれませんね。
日本ブッシュクラフト協会でも講習会を定期的に行われています。
ぜひチェックしてみてください。
薪ストーブ
キャンプのオフシーズンである冬は、
静かにゆっくりできるというメリットもありながら、その寒さが大敵です。
特に冷える夜でも快適に過ごすためには、温かい環境が必須ですよね。
そんなときは薪ストーブを導入してみませんか。
薪ストーブはその名の通り、「薪を燃料としたストーブ」です。
薪を燃焼することで、ストーブ本体の温度が高くなり、その放射熱で周囲を温めてくれます。
煙突から排気するため、テント内でも使用できることが魅力です。
火を眺めながら、広々とした空間でのんびりと過ごすのは、至福のひとときです。
注意点として、テント内での使用には、"薪ストーブに対応したテント"が必要です。
「十分な広さ」と「煙突穴」、「燃えにくい素材(ポリコットンなど)」と
しっかりと確認した上で、専門店で購入しましょう。
今年のキャンプは、ひと味違う薪割りを!

今回は「手斧(ハチェット)」を題材に、斧の手入れ方法について解説していきました。
ご家族やと友人との和気あいあいとしたキャンプ、ソロでゆっくりと過ごすキャンプ…
趣味としてなるべく長く楽しく続けていくために、
ぜひ愛用の道具も定期的に手入れしてみではいかがでしょうか。
TOGIBUでは、みなさんの生活が少しでも豊かになるように、
WebメディアとSNSでお役立ち情報を発信しています。
今回の記事を気に入っていただけた方は、ぜひほかの記事やInstagramもチェックしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!