少し背伸びしていくおしゃれなレストラン。運ばれてくるワイン。
手慣れた様子でコルクを抜くスマートな所作に、ひっそりと感動と憧れを覚える...なんてことありませんか?
今回は、レストランやバーで使用されるソムリエナイフの魅力をご紹介。
成り立ちや実際の使い方とあわせて解説していきます。
ソムリエナイフの基礎知識

ソムリエナイフとは
ワインのコルクを開けるための「ワインオープナー」の1つです。
大きく4つのパーツに分かれているのが特徴で、
せわしなく動くウエイターの方でもポケット内で携帯できるよう、
コンパクトに折りたためる仕様になっています。
ソムリエナイフの成り立ち
いわゆる「スクリュー型のコルク抜き」は、1795年にイギリスで初めて特許をとりましました。
17世紀ごろ、ガラスボトルがワインの保存方法として一般的なものになり、
それにともない「コルク栓で密閉する方法」が主流となったためです。
当初はT字型だったため腕力で引き抜く必要がありました。
これに頭を悩ませた当時の人たちは、様々な形が考案します。
その後、現在のソムリエナイフの原型であるウエイターズ・フレンドがドイツで開発されるのが、1882年のこと。
イギリスでの特許取得から、実に90年近くたった後のことでした。
4つのパーツとそれぞれの機能
ではここからは各パーツと、その機能をご紹介します。
パーツ1:スクリュー
コルクに差し込む箇所です。らせん状になっているため、大きな摩擦を生み出します。
パーツ2:ハンドル
実際に握り込む部分です。しっかりと握るために様々な形状があります。
パーツ3:フック
フックをボトルにかけることで、てこの原理の支点にします。
安定してワインを開けるためには欠かせません。
パーツ4:ナイフ
ワインの注ぎ口にあるキャップシールをはがすためのものです。
それほど鋭利ではないため、指を軽くあてる程度では切れません。
ワインを開ける手順とソムリエナイフの使い方
ここではソムリエナイフの具体的な使い方を、ワインを開ける手順とともに解説します。
ワインの開け方1:キャップシールをはがす
安定した机の上で行います。立てたボトルの肩を左手でしっかり握ったら、
口のくびれを1周するようにナイフで切れ込みをいれます。
「ある程度進んだらワインを回転させて切り進める」といったようにすると、まっすぐとした線になります。
その後、真上に切れ込みを入れれば、きれいにシールを剥がすことができます。
ポイントは「ナイフ部分をしっかり握ること」です。
そうすると力の伝達がうまくいき、安定した切り口を実現できます。
また、先述したようにそれほど鋭利ではありません。恐れずに握ってみましょう。
ワインの開け方2:コルクにスクリューを刺す
ナイフ部分をしまったら、スクリュー部分を出します。
コルクに対し垂直に立てて、回転させながら差し込みます。
中でずれたように感じますが、そのまま落ち着いて回転させましょう。
気を付けていただきたいのは「深さ」です。
「貫通しないように、できるだけ深く」がベストです。
差し込みが浅いとコルクが折れてしまい、貫通してしまうと木片が液体に入ってしまいます。
フックを開いてみて、てこが効く深さで止めるのが1つの基準としてあげられるでしょう。
また、一般的なコルク栓のサイズは約30-60mmで、長期熟成のものになればなるほど長くなる傾向にあります。
ご心配な方は、当たりをつけてみるとよいかもしれません。
ワインの開け方3:コルクを引き抜く
スクリューが十分に刺さったら、フックを開いてボトルの口に引っ掛けます。
コルクを真上に引き抜くように、ゆっくりと引き上げていきましょう。
内部に徐々に空気が入るようなイメージです。
感触が軽くなって、コルクがほとんど出てきたら、手で引き抜きましょう。
購入する際の選び方

続いては、購入する際の選び方です。機能面と有名なブランドに関して解説します。
シングルアクション/ダブルアクション
ソムリエナイフには、「シングルアクション」と「ダブルアクション」と呼ばれるものがあります。
これはフックの関節数の違いです。
ほとんどのワインはシングルで十分ですが、コルクが長いものになるとダブルも必要になるかもしれません。
飲まれるワインの年代やタイプをみて、ご検討ください。
2つの有名ブランド
また、ソムリエナイフには世界的に有名な2つのブランドがあります。
シャトーラギオール(リニュー社・旧スキップ社)
フランス中南部のティエール村で作られたソムリエナイフ。
1993年に当時のスキップ社の社長と、当時のソムリエナイフの世界チャンピオンによって開発されました。
確かなコントロールバランスが評価されており、実際にソムリエコンクールの上位入賞者のほとんどが使用しています。
ミツバチのエンブレムが特徴的です。
ライヨール(フォルジュ・ドゥ・ライヨール社)
刃物製造業が盛んだったフランス南部のLaguiole村。
第1次世界大戦で打撃を受けたことにより、場所を移すこととなります。
しかし、かつてのナイフの支持者たちが働きかけたことにより、1987年、Laguiole村に同社が復活させました。
丸みを帯びた曲線的なフォルムが特徴で、持った際の安定感が評価されています。
メンテナンス
使った後は水分を拭き取って、水気の多い場所を避けて保管しましょう。
また、長く使うことで結合部分がゆるくなる可能性もあります。
定期的に専用のオイルを塗ることで、より長く使うことができます。
ナイフ部分を研ぐ必要はほとんどありません。
切れ味が気になったら
先述した通り、ソムリエナイフを研ぐ必要はほとんどありませんが、
長く使っているうちに刃先の切れ味が落ちてしまうことがあります。
そんなときに便利なのが「ダイヤモンドヤスリ」です。
ダイヤモンドヤスリは、金属の刃物もしっかり研げる高い研削力が特徴。
通常の砥石では研ぎにくい小さな刃先やカーブ部分にもフィットしやすく、
ソムリエナイフのようなコンパクトな刃をお手入れするのにぴったりです。
特に、栓抜きの小刃やフォイルカッター部分は細かい作業が必要ですが、
ダイヤモンドヤスリならスムーズに整えられます。
使い方は簡単で、刃先に沿って軽く数回すべらせるだけ。
砥石のように大きなスペースをとらず、水に浸す手間もありません。
持ち運びにも便利なので、ご自宅はもちろん、ワイン会やアウトドアに持参して気軽にお手入れできるのも魅力です。
「最近ソムリエナイフの切れ味が気になる…」という方は、
ぜひダイヤモンドヤスリでのお手入れを試してみてください。
小さなケアで、ワインを楽しむ時間がもっと心地よくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ソムリエナイフについて解説していきました。
お祝い事や普段のちょっとした楽しみにワインを嗜まれる方もいるかと思います。
ご購入を考えられている方の参考にしていただけると幸いです。
またTOGIBUでは、皆さんの日々の生活が少しでも楽しくなるよう、役立つ情報を発信しています。
ぜひ今後ともチェックしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!