こんにちは、ナニワ研磨工業公式通販サイト「TOGIBU」編集部です。
キャンプで薪を割っていたら、鉈が刃こぼれしてしまった......
そんなご経験はありませんか?
突然やってくるアクシデントには、柔軟な対応が求められます。
せっかくの趣味の時間です。
適切な対処と予防する方法を学んで、有意義に楽しく過ごしましょう。
今回は、砥石での鉈の研ぎ方を解説します。
この記事を読むと、鉈の種類別の研ぎ方に加え、
症状ごとの対処、刃こぼれを予防するためのコツを知ることができます。
お持ちの鉈のポテンシャルを最大限引き出して、より充実したアウトドアナイフを送りましょう。
鉈を研ぐ前の準備とチェックすること
さっそく研ぎたいところですが、ひとまず必要なものを確認しましょう。
準備するもの
鉈を研ぐ前に準備する道具を、用途別に以下にまとめました。
- 砥石 #120|刃の形を整える
- 砥石 #220|刃の切れ味を高める
- 砥石 #1000|さらに切れ味を高める
- 布や雑巾|砥石を固定する、鉈の水分を拭きとる
- 防サビ剤やオイル|サビの発生を抑える
- メスティンやペットボトル|砥石を水につける、砥石にかける水を蓄える
砥石は、5~10分ほど水につけておきましょう。水に浸けているあいだに、次の工程に移ります。
研ぐ前にチェックすること
準備ができたら、以下のことをチェックしましょう。
- 刃の状態|刃こぼれ、潰れ、サビの有無
- 砥石の状態|研ぐ面が平らになっているか
刃の状態は、必要な工程や手順に左右します。
サビを見つけたら、紙ヤスリなどで取っておきましょう。
また、切れ味をしっかりと復活させるには、刃全体が均等に研がれることが肝心です。
砥石が平面になっていないと、正確に研ぐことが難しくなってしまいます。
面直し(めんなおし:砥石の面を整えること)をしましょう。
鉈の研ぎ方|砥石で

両刃の腰鉈をメインに解説していきます。
片刃や剣鉈の研ぎ方についても補足しつつ、進めます。
- 1. 砥石を準備する
- 水につけた砥石を、濡らした布や雑巾の上で固定します。
固定しないまま研ぎ始めると、砥石が徐々に滑り出します。
研ぎの失敗だけでなく、ケガを引き起こす原因にもなるため、しっかりと固定しましょう。
2. 研ぐ
両刃は左右に、片刃は基本的に利き手側に刃があります。
両手をハの字(45°)にし、利き手で鉈を持ちます。
砥石にあてたら、このナナメの角度を保ったまま研ぎ進めます。
この方向を、筋交い(すじかい)といいます。
剣鉈の場合は、刃の角度にあわせて、微調整します。
刃の先をよくみてみると、刃の辺をなぞるように、光の筋が反射してみえるかと思います。
この状態を目指します。
手首を少しひねって、刃を起こします。
両刃は30°、片刃は40°を目安にしましょう。
利き手とその手首の角度を固定したら、空いている手を使って、砥石にのった鉈を上から軽く押さえます。
そのまま前後に往復することで研ぐことができます。
往復の回数は10回程度を目安にし、刃の状態を確認しながら調整します。
薪割りに使う鉈の刃渡りが、およそ165~180mmだと仮定すると、
砥石の幅ではまったく足りません。
根本のほうから刃先にかけて、研ぐ箇所をずらしながら、複数回にわけて研いでいきましょう。
粗い砥石で研ぎ終わったら、番手の細かい砥石に変えましょう。
両刃の場合は、もう片面を研いでから、砥石を変更します。
片刃は、最後の仕上げとして、もう片面をほぼ水平にして軽く研ぎます。
これはバリ取りと刃こぼれを起きにくくする効果があります。
3. 洗い流して拭く
研ぎ終わったら、水で流します。
水分を放置すると、サビの原因となるため、しっかりと水気を拭き取りましょう。
専用のオイルや防サビ剤などがあると、よりサビにくくなります。
これは、すべての刃物に共通する手入れです。
2つの注意点
鉈を研ぐ際には、以下の2点に気をつけましょう。
- 砥石を固定する|ケガの防止のため
- 砥石が乾かないようにする|砥石と刃物の破損を防ぐため
この2つの守ることで、研ぎのクオリティがぐんと向上します。
鉈の研ぎ方|応用編

鉈の研ぎにおいては、さまざまな応用ができます。
鉈を固定して、小型の砥石を手にもって研ぐ方法、グラインダーやシャープナーを使った方法などです。
今回解説した方法は、基本的なものになります。
これを抑えておくことで、様々な応用もきくことでしょう。
アウトドアは、ロマンを追い求めて楽しむもの。
それぞれのメリットやその日の気分、自分との相性を考えた上で、使い分けるとよいでしょう。
症状ごとの対処と予防する方法
刃のチェックにおいて、いろいろな症状が発見されます。
症状別の対処法を、解説します。
刃こぼれ
鉈によくみられる症状として、刃こぼれがあります。
特に先端の刃こぼれは、よく見られますが、軽度なものは研ぎで解決します。
粒度の荒い砥石で、欠けた先に合わせて、全体の刃を修正します。
もし、自分での修正が難しく感じたら、メーカーや研ぎ屋に研ぎ直しの依頼をしましょう。
どうしても、刃が細くなる作業になるため、買い替えるのも手段のひとつです。
鉈を鋭利にしすぎると、刃こぼれが起こりやすくなります。
薪割りのときは、つっかえたときにひねらないようにしましょう。
横方向の力に弱くなるためです。
また、慣れてきた方は、はまぐり形に整えたりすることで、ある程度の強度が補えます。
サビ
紙やすりや粗い砥石で削ると、改善されます。
鉈を使ったあと、そのまま放置しておくと、刃についた樹脂などがサビの原因となります。
しっかり洗って、水分を拭き取りましょう。なぜ通しのよい状態で保管すると、よりよいです。
いくら研いでも、刃先が欠けてしまうとなれば、刃の中までサビが進行している可能性があります。
その場合は、買い替えを検討しましょう。
潰れ
バトニング(薪に食い込ませた刃物の背中をたたいて薪を割る方法)をしていると、
背中側が潰れてしまったり、変形してしまうことがあります。
金やすりや粗い砥石で、形を整えることができます。
まとめ - 正しい研ぎ方で使い込んだ鉈をイキイキさせよう
鉈は、その種類や症状によって、研ぎ方や対処の方法が異なります。
正しい手入れの方法を知って、刃物を末永く育てていきましょう。
これまで以上に充実したアウトドアライフを過ごせることを願っております。
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最後までお読みくださり、ありがとうございました。