みなさんの中で「普段から砥石で包丁を研いでいる」という方は、
どれくらいいらっしゃるでしょうか。
包丁をお持ちの方でも、なかなか使用する機会の少ない砥石。
キッチンで眠ってしまっている方も少なくないのではないしょうか。
2016年に3000人以上を対象に行われたある調査では、
「砥石を使って自分で(包丁を)研いでいる」回答は全体の16.1%でした。
その反面「今後砥石を使って自分で包丁を研げるようになりたいと思うか」という回答は、
全体で44.1%を占める結果となりました。
意外と憧れている方も多い「砥石での包丁研ぎ」。
実際に購入してから「失敗した!」なんてことがないように、
砥石メーカーが丁寧に解説していきます。
今回は""面直し(めんなおし、つらなおし)""についてです。
面直しとは
さて、聞きなれない専門的な単語が出てきました。
「面直し」とは一体何でしょうか。
面直しとは、読んで字のごとく「砥石の研ぎ面を整えて直すこと」です。
研ぎ面を整える?直すってなにを?
そんな声が聞こえてきそうですね。
まず砥石がどうやって包丁を研いでいるかを説明していきます。
砥石が包丁を研ぐメカニズム
砥石は、小さな砥石の粒のようなものが集まってできています。
これを砥粒(とりゅう)と呼びます。
研ぐ際の包丁との摩擦により、砥粒が刃を細かく削ります。
やがて砥粒は砥石本体から剥がれ、削れた包丁の切りくずや水分と混ざり、""研ぎ汁""となって現れます。
そうすることで「研ぎの効果が向上」→「新しく砥粒が剥がれる」という流れができます。
なぜ面直しが必要か
さて、話題を面直しへと戻します。
先ほど述べたように、摩擦の繰り返しで砥粒が剥がれると、砥石の表面(研ぎ面)が徐々にすり減っていきます。
主に中心部分から削れていくことが多く、平面から凹面に近づいていきます。
これを水平に正す作業が、""面直し""です。
こまめに面直しをすることで、ムラのない安定した研ぎが実現し、砥石自体も長く機能します。
面直しの正しい方法
それでは、具体的な面直しの方法をご紹介いたします。
その方法とは、"砥石"で"砥石"を研ぐことです。
面直し砥石で砥石を研ぐ
「面直し砥石」とは、その名の通り""面直し""専門の砥石です。
※包丁や刃物を研ぐものではありません
今回は、この面直し砥石を使用した方法をご紹介いたします。
0. 準備物
今回準備するのは以下の4点です。
・研ぎたい砥石
・砥石台(あれば)
・面直し砥石
・鉛筆
作業場所は、キッチンや平面の安定した場所が望ましいです。
1. 研ぎたい砥石に鉛筆で線を書く
研ぎたい砥石の表面に、鉛筆でまんべんなくぐるぐると線を描きます。
これは後で面直しをする際に、どこが凹んでいるかを確認するためです。
塗り絵のように丁寧にむらなく塗る必要はありませんが、視認できる濃さで描くようにしてください。
濃い鉛筆を使用すると楽かもしれません。
2. 面直し砥石に水を含ませる
面直し砥石は使用する前に、水分を十分に含ませます。
お持ちの面直し砥石によるため、しっかりと使い方を確認しましょう。
3. 面直し砥石で研ぎたい砥石を擦る
研ぎたい砥石を、キッチンの砥石台などの水平な安定するところに配置します。
研ぎたい面に面直し砥石を擦り合わせます。
この際、こまめに鉛筆の線を確認するようにしてください。
線がすべて見えなくなったら、
もう一度まんべんなく線を描き、再度擦り合わせます。
こうすることでより確実な平面を実現できます。
その他の砥石で砥石を研ぐ
実は、専門の砥石以外でも面直しは行うことは可能です。
同じ荒さ・素材の砥石で行う「共擦り」や、
高い硬度のダイヤモンド砥石を使った方法、荒めの砥石を使った方法も存在します。
今回は、初めての方でも取り扱いやすいという観点から、
面直し砥石を使った方法をご紹介させていただきました。
キズや凹みが大きいときは
しばらくお手入れしていなかったりすると、砥石のキズや凹みが大きくなり、
面直しの時間がかかってしまうことがあります。
その際は、金剛砂(コンゴウシャ)の使用をおすすめします。
砂のような小さい粒で、研磨材の役割を果たします。
面直しの際に研ぎ面に振りかけることで、より効率的な面直しを実現します。
砥石を長く使うには
また、面直し以外にも砥石を長く使うための方法をご紹介します。
ドレッシング
目立てとも言います。
研ぎ面に砥粒や切りくずが溜まることで、目の詰まりを引き起こします。
包丁が滑ってしまい全く研げなくなる状態です。
荒めの砥石や名倉砥石を使用して表面を削り、
取り去ることを""目立て""と呼びます。
角落とし/面取り
砥石の角を滑らかにする作業のことです。
購入したばかりの砥石や面直しの直後などは、角やフチが直角に近い状態です。
このまま使用すると、砥石の欠けだけでなく、包丁の刃先をいためてしまう可能性があります。
なるべく丸みを持たせる形で角を削りましょう。
水洗い
砥石の使用後には、研ぎ汁や切りくず・砥粒が表面に残っています。
これらは目の詰まりの原因となります。
キッチンのシンクなどで水を流しながら、手でしっかり汚れを流しましょう。
綺麗に取れない場合は、目立てを行ってください。
砥石の管理方法
また、砥石の管理方法についても2点ご紹介します。
保管場所
使い終わった砥石は、自然乾燥ののち、直射日光を避けた日陰で保管します。
水分や湿気の多い場所で保管してしまうと、
劣化を早めヒビ割れなどが起きてしまいます。
専門のケースをお持ちの場合は「ケースの中」で、
お持ちでない場合は「新聞紙などにくるんで」保管してください。
砥石が欠けたら
角落とし/面取りを行い、表面を滑らかに処理しましょう。
刃物が当たった際に、刃先をいためてしまう恐れがあるためです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、砥石の扱い方から""面直し""をご紹介しました。
砥石のご購入を考えられている方も、キッチン下でひっそりと眠らせていた方も、
この記事が砥石を使う一歩目の後押しになれば幸いです。
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