黒曜石ナイフの作り方と歴史|縄文から現代までの使い方を解説

黒曜石ナイフの作り方と歴史|縄文から現代までの使い方を解説

こんにちは、TOGIBU編集部です。
砥石メーカーとしての80年以上の歴史から、砥石や包丁にまつわる知恵とノウハウをご紹介しています。

 

砥石についてのご質問などは、以下をご参考ください。

 

「縄文時代」、ずばり何年前かご存じでしょうか?


諸説ありますが、おおよそ15,000〜16,500年前に始まったとされています。


土器の登場によりスタートした縄文時代。ではそれ以前は、どんな暮らしをしていたのでしょうか?

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時代ごとに追う、石のトレンド


旧石器時代:生活に密接な石器

 

旧石器時代では、主に石器を使っていたと考えられています。

当時は打製石器が主流で、黒曜石などを砕いて使用していました。

生活の用途に合わせて多様なタイプが存在します。

 

尖頭器(せんとうき)

その名の通り先の尖った石器です。

主に槍の先に取付けて、狩猟用として使われていました。

大きさは、6〜19cmと様々です。

 

彫器 / 削器(ちょうき / さっき)

特に木材の加工に用いられていました。

形は尖頭器に似ていますが、1cmに満たない小ぶりのものも見つかっています。

 

掻器(そうき)

現在でいうスクレイパーのようなもので、動物の皮をなめす役割がありました。

ナウマンゾウやオオツノジカなど大型の生物にも使われていたかもしれません。

 

石斧(せきふ)

50cmほどのものも発見されている、円筒状の斧です。

木の伐採などに使用されていました。

 

 

縄文時代:土器との共存

 

縄文時代においては、「土器」が重要な役割を果たしていました。

時代の名前もその紋様から名付けられるほどです。

石器も発展し、人々は知恵を働かせ、この頃には「磨製石器」が使われるようになりました。

日本でも当時の砥石が出土しています。

 

 

弥生時代〜古墳時代:日常から特別な意味へ

 

この辺りから、「鉄器」や「青銅器」が用いられるようになりました。

石器は、実用的なものに限られるようになります。

一方、「剣」や「勾玉」などお墓に入れる副葬品として、石が用いられることも増えてきました。

 

 

飛鳥時代〜平安時代、そして現代へ:表現の手法として

 

飛鳥から奈良、平安と時代が進むにつれて、庭園で自然を表現する文化が広まります。


美しく力強い石を自然の姿のまま配置する景石(けいせき)は、

日本庭園における最重要箇所「」の表現に欠かせません。

 

 

石器の材料「黒曜石」と石器の作り方

 

最も石器が栄えた時代である旧石器時代。

どのようにして作っていたのでしょうか。


まずは、その材料として主に用いられてきた黒曜石から解説していきます。

 

 

黒曜石とは

 

黒曜石はいわゆる火山岩の一種で、地表に出てきたマグマ(溶岩)が冷えて固まったものです。

外側の溶岩が急速に冷えると、黒曜石になります。

反対に、内側でゆっくり固まったものが「流紋岩」と呼ばれます。

 

ガラスなのに黒い?黒曜石の不思議

 

黒曜石の名前は、その姿に由来します。

その黒色が美しい石ですが、実はその成分のほとんどがガラスです。

酸化した鉄分を含むことで、ガラスが光を吸収するようになり、「黒く」「耀いて」見えるのです。

 

 

石器の作りかた

 

天然ガラスである黒曜石は、割ると鋭利なナイフになります。

先人たちはこれを活かし、石器として生活に役立てていました。実際に作り方を見てみましょう。

 

 

準備するもの

 

  • 黒曜石
  • 角の取れた丸い石 または シカなどの動物のツノを丸く削ったもの

 

以上の2点です。


 

作る手順

 

  • 黒曜石を丸い石やツノでコツコツ割る

以上です。

 

とはいえかなり難易度が高いらしく、些細な力加減で割れ方が変わってしまいます。

また、石とはいえ刃物ですので、切り傷などにも注意しないといけません。

 

 

黒曜石のナイフは現代でも使っていいのか

 

「黒曜石のナイフを自分も作ってみたい!」
となりそうですが、ご留意いただきたい点があります。


違法になる恐れも

 

2025年現在での「銃刀法」では、「刃渡り6cmの刃物の所持」が違法となっています。

また6cm未満でも「隠して携帯している」と、「軽犯罪法」違反となります。

 

そのため、むやみに個人で作ったり所持することは、おすすめしません。


 

ではどうすればよいか

案として考えられるのは以下です。

 

専門のワークショップを受ける

 

全国には、黒曜石に関する博物館やワークショップが存在します。

もし作るとすれば、そういった公式の場所で専門家の意見を受けた上で、制作しましょう。


 

ペンダントやアクセサリーにする

 

またそういったワークショップでは、アクセサリーの創作も可能な場合があります。

黒曜石自体へ魅力を感じている方であれば、そちらもぜひ検討してみてください。

 

 

ナイフを研ぐのにおすすめの砥石

 

TOGIBUでは、ナイフを研ぐのにぴったりな砥石をご用意しております。

黒曜石ナイフだけでなくお手持ちのナイフのメンテナンスに、ぜひお使いください。

 

 

 


 

今でも衰えない石の魅力

 

いかがでしたか?

旧石器時代から続く石の扱いとその傾向について解説していきました。


いまやゲームなどでも触れる機会のある「黒曜石」や「石器」、

今でも研ぎには欠かせない「砥石」、日本庭園の重要項目「景石」…


石ひとつをとっても、人々の知恵が集まりさまざまな関わり方があることを実感いただけたでしょうか。

 

TOGIBUでは、みなさんの生活が少しでも豊かになるように、お役立ち情報を発信しています。

気になった方は、ほかの記事もぜひチェックしてみてください。

 

また、プロ厳選の砥石も以下でご紹介しています。

ご興味がございましたら、ご覧ください。

ナイフにおすすめ!コンパクト砥石

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

 

 

 

 

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