砥石に関するQ&A

砥石に関するQ&A

今回は、砥石に関係するお問い合わせをQ&A形式でご紹介します。初心者の方はもちろん、普段から研ぎを楽しんでいる方にもご参考になれば幸いです。



Q. 砥石が変色してしまった。


A. 砥石を久しぶりに使おうとしたら表面に白いものが……カビなのでは?というお問い合わせをいただくことがあります。


これは砥石の製法上どうしても起こり得る現象で、保管状況や気温等の影響により部分的に変色する場合や模様が現れる場合があります。たとえ発生しても、砥石の研削力が落ちることはありませんのでそのままご使用いただけます。


一方、何もしていないのに砥石がポロポロと崩れてしまう、研いでいると砥石が想定以上に削れてしまうなど、砥石の形状に影響が出ている場合は、品質やご使用方法に問題がある可能性がありますので、一度ご購入先へお問い合わせください!



Q. 説明書が無く使い方のわからない砥石はどのように使えば良いですか。


A. 外箱やラベルが無く、使い方のわからない砥石がご自宅のどこかに眠っている……そういう方も結構おられるのではないでしょうか。
製造元のメーカーが分かれば問い合わせをしていただくと早いのですが、たいていの場合、そのような砥石は印字されていたであろうロゴマークもかすれてしまって判別不可能……。というわけでセルフで確認するポイントをご紹介します。


まず確認するべきなのは浸水の必要があるかどうかです。これが間違っていると研いだ瞬間に包丁を傷つけてしまう恐れがあります。


確認方法は簡単で乾燥した状態の砥石に水を少量かけてください。


水が瞬時に吸い込まれたら、その砥石は10分ほど浸水させてから使う必要があります。反対に水が弾かれるのなら、たくさんの水をかけながら研ぎに使用してくださいね。


続いて、重要な砥石の粒度です。

これは砥石表面がざらざらとした質感であれば、荒砥石と考えていただいて問題ありません。そういった砥石は刃欠け修正のような、刃の形を変える必要がある際にご使用ください。


中砥石~仕上砥石の判別は目視や触感では慣れが必要ですが、濡らしていないのに光沢があるほど表面が艶やかな砥石は仕上砥石である可能性が高いです。



Q. 目詰まり、目潰れってなんですか。


A. 目詰まりとは砥石表面の研磨材が詰まり、研磨材が隠れている状態のことです(目潰れも同義です)研いでも研いでも砥石表面でつるつると滑ってかみ合わない感覚がある時は目詰まりが起きている可能性が高いです。


砥石をメンテナンスしていただくことで目詰まりはおきにくくなるので、研ぎ終わりには毎回必ず、面直し砥石か使用している砥石と粒度が近い砥石で表面をけずって整えてくださいね。



Q. 砥石表面をえぐってしまった・掘ってしまったときの対処法を教えてほしい

A. 包丁を研いでいると、刃先が引っ掛かって砥石表面の一部を削ってしまうことがあります。そのまま研ぎ続けるとえぐった部分に刃が引っかかり思わぬ怪我をする原因になりますので、面直し砥石で削った部分が平らになるまで砥石表全体を削ってください。

平面に修正することで、再び安全にご使用いただけます。



Q. 砥石の保管方法について。


A. 研ぎ終わった砥石は面を整えた後に常温の水で洗い、日陰干しで完全に乾かしてから風通しの良い所に保管してください。
熱湯をかけたり直射日光を当てたりしてしまうと、変形する可能性がありますのでお気をつけください。



Q. 不要になった砥石を処分したい。

A. これもよくお問い合わせいただくの内容の1つです。これは、各自治体の区分に従って処分してください。砥石はとても簡単に言ってしまうと砂に近いもの(研磨材)を固めて作られています。
陶器(割れ物)と同じ扱いになるケースや、不燃ゴミ扱いになるケースなど、自治体により処分の方法が異なりますので、お住まいの自治体の区分をよくご確認くださいね。



最後は番外編で、包丁に関する質問です。



Q. 包丁が錆びてしまった。使っても大丈夫?


A. 包丁の錆びが切った食材に付着したとしても、食べた人への影響はないとされています。しかし、錆びた包丁は切れ味が落ちてしまいます。そのまま食材を切ろうとすると、必要以上に力が入り思わぬ怪我をしてしまうかもしれません。

さらに、錆びは刃の内側をどんどん浸食していきやがて穴をあけてしまうので、早めの対策が肝心です。錆びの状態にもよりますが、小さな錆びは重曹・クレンザー・錆取り用消しゴムで落とせることが多いです。
また、刃先であれば砥石で研ぐことによって錆を落とせるので、錆びが発生しても慌てず、買い替える前に是非一度試してみてください!


ここまで、砥石に関係するお問い合わせをQ&A形式でご紹介しましたがいかがでしたか。

せっかく購入した砥石に白斑が出たり、表面をえぐってしまったりしたらショックですよね。砥石は基本的には非常に長持ちするものですので、多少のことなら大丈夫です。
(ただし、レンガのような材質なので落とすと割れてしまいますが……)面直し砥石で表面を整えながら、長く使ってもらえたら私たちも嬉しいです。


これからもTOGIBUブログやインスタグラムでも情報を発信していきますので、一緒に研ぎを楽しみましょう。

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