研磨と研削の違い|初心者でもわかる特徴・種類・使い分け

研磨と研削の違い|初心者でもわかる特徴・種類・使い分け

こんにちは、ナニワ研磨工業公式通販サイト「TOGIBU」編集部です。

 

研磨(けんま)研削(けんさく)。どちらも砥石を使って表面を整えるイメージがありますが、その役割や目的には明確な違いがあります。

 

研磨と研削の違いは、その目的です。研削は材料を削って形を整える(寸法を出す)こと、研磨は表面を滑らかにする(光沢を出す)ことを主目的としています。これらは製造業の現場だけでなく、私たちの身近な包丁研ぎなどにも深く関わっている技術です。

 

この記事では、研磨と研削の違いを詳しく解説し、併せて語られることが多い切削(せっさく)との違いについても触れていきます。外注のやり取りで齟齬が起きないよう復習にもお役立てください。

 

 

 

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研磨と研削の違いは、目的と削る量。

 

研磨と研削の最大の違いは、加工の目的と取り除く量にあります。

 

研削は、高速回転する研削砥石を用いて、金属などの材料を削り取る加工です。主な目的は、設計図通りの寸法に仕上げる高い寸法精度を実現することにあります。

 

一方で研磨は、研削の後工程として行われることが多く、表面の凹凸をなくして滑らかさや光沢を出すことを目的としています。研削では目に見える火花が散るほど激しく削ることもありますが、研磨はごく微細な量を削る、あるいは磨くことで、鏡のような表面(鏡面)を作り上げます。

 

  • 研削:形状の作るための除去加工
  • 研磨:表面を整えるための仕上げ加工

 

つまり、形を整えたいなら研削、見た目や手触りを良くしたいなら研磨を選ぶのが基本です。

 

 

 

研削とは、形を正確に作る加工。

 

研磨と研磨の違い

 

JIS(日本産業規格)の定義では、研削はといし車を回転運動させて工作物の不当や部分を除去する方法。とされています。

出典・参考:< a href="https://kikakurui.com/b0/B0106-2016-01.html 工作機械-部品及び工作方法-用語(JIS B 0106:2016)

 

この加工の強みは、超合金などの非常に硬い素材であっても精度良く削ることができる点にあります。また、切削(刃物で削る方法)に比べて、マイクロメートル単位での細かい寸法調整が可能です。円筒研削や平面研削など、形状に合わせた多様な機械が存在します。

 

研削は、製品の土台となる正確な形を作るために欠かせないステップです。

 

研削加工の種類と特徴|メカニズム・物理的特徴・外注の注意点

 

今回は、日本工作機械工業会HPで紹介されている研削の種類、円筒研削平面研削内面研削心なし研削の4つを取り上げます。

出典・参考:< a href="https://www.jmtba.or.jp/machine/introduction/ 一般社団法人 日本工作機械工業会|工作機械の種類と加工方法

 

円筒研削(Cylindrical Grinding)

 

ワークの両端にセンター穴というくぼみを作り、機械の軸で挟み込んで回転させます。そこに高速回転する砥石を押し当て、ワークを左右に往復させて削ります。

 

回転軸が完全に固定されるため、真円(きれいな円)を作る能力が非常に高く、±1㎛レベルの制御が可能です。表面粗さもRa0.1㎛近くまで追い込めます。

 

前工程(旋盤など)で作るセンター穴にゴミが詰まっていたり歪んでいたりすると、その振動がそのまま加工面に伝わり、精度が出なくなります。外注の際は注意しましょう。

 

平面研削(Surface Grinding)

 

強力な電磁石が組み込まれたテーブルにワークを磁力で吸着させます。テーブルを前後に高速往復させながら、上から回転する砥石を当てて真っ平らに削ります。

 

磁石につかないアルミやガラスも、専用の治具(固定具)を使えば加工可能です。

 

薄い板を削る際、研削熱で金属の上側だけが膨張したり、磁力で無理やり平らに矯正されて削られたりします。そのため、磁石を切った瞬間に内部応力が解放されてベコッと反ってしまう現象が起きます。図面で反り規制の指示が必要です。

 

内面研削(Internal Grinding)

 

回転するワークの内側の穴に、さらに高速回転する小さな砥石を突っ込んで、内壁を削り広げる加工です。

 

小さな砥石を奥まで届かせる必要があるため、砥石を支える軸(クイル)が細長くなります。物理的に軸がたわみやすい(しなりやすい)ため、無理に削ろうとすると振動(ビビリ)が発生し、限界値は±2~3㎛に留まります。

 

工具が届く限界があるため、穴の直径に対して、深さは3?4倍までという設計上の制約(アスペクト比)を意識しなければなりません。

 

心なし[センタレス]研削(Centerless Grinding)

 

円筒研削と同じ棒の外側を削る技術ですが、ワークを機械に固定しません。大きな研削砥石、回転を制御する調整砥石、下から支えるブレード(板)の3点でワークを挟み込み、転がしながら削ります。

 

固定しないのになぜ精度が出るのか?それは、ワークの凸部分が砥石に触れると、反対側が押し出されて自動的に修正される幾何学的な性質があるからです。4つの中で最も高い±0.5㎛という驚異的な限界値を叩き出せます。

 

機械のセッティング(段取り)に非常に時間がかかるため、10個や20個の試作で発注するとコストが跳ね上がります。数千~数万個の連続大量生産で真価を発揮する加工法です。

 

【表で比較】研削加工(円筒・平面・内面・心なし)の特徴

 

比較要素 円筒研削 平面研削 内面研削 心なし研削
加工部位 円柱の外周面 ブロック等の平面 筒・リングの内周面(穴) 円柱の外周面(大量生産)
ワーク保持 両端のセンター穴で支持 磁気チャック(磁石) チャック(固定爪) 固定しない(3点支持) 精度が高く、まっすぐな丸い棒を作るのが得意。
加工限界値[㎛] ±1~2 ±2~3 ±2~3 ±0.5~1(最高精度)
表面粗さ(Ra)[㎛] 0.1~0.4 0.2~0.8 0.2~0.8 0.1~0.4
主な対象材質 焼き入れ鋼・超硬合金 鉄鋼・アルミ・セラミクス 軸受鋼(SUJ2)・金型材 焼き入れピン・チタン合金
設計・外注の鍵 基準となるセンター穴 加工熱による反り・歪み 軸のたわみ・ビビリ 生産個数(ロット数)

 

 

 

研削の方法|プランジとトラバースの違い

 

研削には、プランジ研削トラバース研削という代表的な2つの方法があります。これらは、ワークと砥石の当て方によって分類されます。

 

  • プランジ研削:砥石をワークに押し当てる方法
  • トラバース研削:ワークや砥石に往復の送り運動を与える

 

出典・参考:< a href="https://www.youtube.com/watch?v=kINMu76sjNU&t=530s ものづくり太郎チャンネル|工作機械「4強の一角」ジェイテクトに訪問して「研削」とは何か?を学んできた!

 

 

 

研磨とは、表面を美しく仕上げる加工。

 

研磨は、微細な砥粒(とりゅう)を使用して、表面の粗さを取り除き、滑らかに仕上げる加工法です。

 

研磨には、固定された砥石を使うだけでなく、布や革に研磨剤を塗布したバフや、液体状の研磨剤を流し込む方法など、非常に多くのバリエーションがあります。目的は、摩擦抵抗を減らす、錆びにくくする、あるいは装飾的な美しさを出すといった表面の状態の向上に特化しています。

 

研磨は、製品の付加価値を高め、最終的な使い心地を決定づける重要な仕上げ作業です。

 

 

 

研磨加工の種類と目的

 

研磨加工は、固定された砥石だけでなく、柔軟な素材や液体を用いるなど、手法が多岐にわたります。これらの役割は、ワークに光沢を出すだけでなく、機械部品の密着性を高めたり、油膜を保持させたりといった機能的な役割も果たします。

 

研磨の主な種類と特徴

 

  • バフ研磨:布製のホイールを回転させる
  • ラッピング:平面度を極限まで高める
  • ホーニング:砥石を押し当てて往復させる

 

研磨は、見た目の美しさだけでなく、製品が本来の性能を発揮するための命を吹き込む作業といえます。

 

 

 

切削・研削・研磨の違いと関係

 

研磨と研磨の違い

 

JISによると、切削は切削工具と工作物とを相対運動させて,工作物の不要な部分を除去する加工方法。とあります。

出典・参考:< a href="https://kikakurui.com/b0/B0106-2016-01.html 工作機械-部品及び工作方法-用語(JIS B 0106:2016)

 

金属加工の世界では、大きな順に切削研削研磨というステップで加工が進むのが一般的です。

 

切削は、旋盤などの刃物を使って大きな塊をガリガリと削り、おおよその形を作ります。次に研削で、切削では届かない細かな寸法精度を追い込みます。最後に研磨で、表面をピカピカに磨き上げて完成です。

 

このように、これら三つは対立するものではなく、目的の精度や見た目に応じて組み合わせて使われる一連の流れの中にあります。例えば、包丁を作る際も、まずは鋼を叩いて形を作り(鍛造)、切削や研削で刃の形を出し、最終的に研磨して美しい刀身に仕上げます。

 

それぞれの役割を理解することで、効率的なモノづくりの流れが見えてきます。

 

 

 

まとめ|目的を見極めて最適な手法を選ぼう

 

研磨と研削は、どちらも砥石を用いて材料を加工する技術ですが、その本質は大きく異なります。

 

  • 研削:高い精度と寸法を出すための除去加工。
  • 研磨:表面を滑らかにし、光沢を出すための仕上げ加工。

 

これら二つを正しく理解し、さらには切削からの流れを把握することで、モノづくりの品質は飛躍的に向上します。まずは形を直したいのか、表面をきれいにしたいのかを基準に、必要な道具や工程を選んでみてください。

 

TOGIBUでは、みなさんの生活が少しでも豊かになるよう、砥石にまつわるお役立ち情報を発信しています。Instagramやほかの記事も、ぜひチェックしてみてください。最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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