こんにちは、ナニワ研磨工業公式通販サイト「TOGIBU」編集部です。
砥石の色だけで、種類や番手を見分けることはできません。
なぜなら、着色料を使っている場合があり、その色分けがメーカーによって異なるからです。
砥石を選ぶ際は、番手や用途を確認することが大切です。
とはいえ、人から頂いた砥石だと、どんなものかわからないこともあります。
新しく購入するときでも、店頭やサイトにずらっと並んだ中から好みのものを見つけるのも一苦労ですよね。
この記事では、砥石の色について解説。
色から考えられる砥石の種類や見分け方をご紹介します。
ご自宅に眠っている砥石は、包丁の切れ味を最大限に引き出せます。
ぜひ最後まで読んで、お料理の小さなストレスから解放されましょう。
補足:人造砥石について解説しています。天然砥石については、以下の記事を参考にしてください。
砥石に色がついている理由

茶色や灰色、白といった渋い色味から、緑やピンク、青、赤などの鮮やかな色まで、意外にカラフルな現代の砥石。
なぜ、このような色がついているのでしょうか?
砥石の色には、着色料で色を調整しているものとそうでないものがあります。
着色料は、おもに商品を識別するために使用されます。
たとえ同じ色に見えても、メーカーが異なれば基準も異なるため、注意する必要があります。
では、着色料を使っていない砥石には、どのようなものがあるのでしょうか。
砥石によく見られる色と傾向
砥石の色には、よく見られる色味があります。
- 薄緑っぽい色
- ピンクや茶色っぽい色
- 白っぽい色
- 灰色っぽい色
砥石の色には、素材である粒とその砥石の作り方が関係しています。
砥石の基本
砥石は、砥粒(とりゅう)という粒を、結合剤(けつごうざい)で固めて成型したものです。
これらに気孔(きこう)を加えた3つを砥石の三要素と呼びます。
表:砥石の三要素と役割
| 砥石の三要素(別名) | 役割 | 要素のポイント | ポイントの影響範囲 |
|---|---|---|---|
| 砥粒 | 刃物(包丁など)を削る硬い粒 | 粒の大きさ、硬さ、形 | 研磨力、刃物の仕上がり、砥石の寿命など |
| 結合剤(ボンド) | 砥粒どうしをくっつける接着剤 | 結合剤の性質 | 研ぎの感触、砥石の寿命など |
| 気孔(ポア) | 刃物の切りくずや熱を排出するすきま | 気孔の割合や大きさ | 吸水の早さ、研ぎの感触 |
すべての砥石は、砥粒、結合剤、気孔によって構成され(※)、この3つは砥石の性質に大きく影響します。
砥石の色は、研磨材である砥粒の色によって左右されます。
※着色や性能の向上を目的とした材料が追加される場合があります。
砥粒の種類

砥石の原材料となる研磨材には、アルミナ(酸化アルミニウム)や炭化ケイ素といった化合物が広く使われています。
これらは、化合のしかたや物質の割合によって、砥粒の色や性質が変化します。
砥石の砥粒に使用される素材の例
- 黒色炭化ケイ素( C/ Carborundum)
- 緑色炭化ケイ素( GC/ Green Carborundum)
- 褐色アルミナ( A/ Aluminum Oxide)
- ホワイトアルミナ( WA/ White Aluminum Oxide)
- ピンクアルミナ( PA/ Pink Aluminum Oxide)
例にあげたような砥粒は、着色料を加えなくても自然に発色します。
砥石の種類に影響する要素
また、砥粒に加えて、粒度(りゅうど)、結合度、組織、結合剤を5つを、砥石の五因子といいます。
これらは、様々な目的や用途に応じて選択され、砥石の性質を決定づけます。
砥粒
原材料として使われる研磨材の種類です。
前述した炭化ケイ素やアルミナのほかにも、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素(CBN)といったものもあります。
粒度
粒度は、砥粒の大きさを示す指標で、番手(ばんて)ともいわれます。
主に、"#"と整数で表され、数値が大きくなるほど細かい粒、
0に近づくほど粗い粒という意味になります。(表記例:#1000、#3000、#600など)
砥石は、この粒度によって、荒砥石(あらといし)、中砥石(なかといし)、仕上げ砥石(しあげといし)の3種類に分けられます。
- 荒砥石|#120~#600|刃のサビや欠けの修正に
- 中砥石|#800~#2000|切れ味が悪くなったときや普段のお手入れに
- 仕上げ砥石|#3000~|より鋭い切れ味を追求したいとき、食材に合わせて
それぞれに用途があり、包丁や刃物の状態によって、必要に応じた粒度の異なる砥石を使い分けることもあります。
また、2つ以上の砥石を使うときは、粗いものから順に使用します。
(例:荒砥石→中砥石→仕上げ砥石)
結合度
結合剤がどれだけ砥石の形をキープするかという指標です。
砥石の硬さに直結していて、研ぐときの感触にも影響します。
A~Zのアルファベットで表され、軟らかいものほどAに、硬いものほどZに近づきます。
組織
砥石全体における砥粒の割合を指します。
その割合に応じて組織番号という数値が適用され、
疎密をレベルで表せるようになっています。気孔の割合の参考にもできます。
結合剤
結合剤の種類には、樹脂や長石などがあり、その製造方法によって使い分けられます。
砥石の製造方法による種類と特徴

砥石の主な製法として、ビトリファイド、マグネシア、レジノイドの3つが挙げられます。
砥粒や結合剤との相性、砥石の用途に応じて使い分けられます。
| 製法名(略) | 概要 | 特徴 | 製造期間の目安 | おすすめの砥石 |
|---|---|---|---|---|
| ビトリファイド製法(V) | 長石や粘土を混ぜ、高温(1200℃以上)で焼き固める | 10~15日 | https://togibu.com/products/it-0130?_pos=1&_sid=65752f2c5&_ss=r 響(ひびき) | |
| マグネシア製法(MG) | セメントを混ぜ、乾燥させて固める | 水をかけるだけですぐに研げる | 4ヶ月 | https://togibu.com/collections/%E8%B6%85%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E7%A0%A5%E7%9F%B3-%E5%A4%A7%E5%92%8C 超セラミックス |
| レジノイド製法(B) | 樹脂を混ぜ、乾燥させて固める | やわらかく研ぎやすい | 2ヶ月 | https://togibu.com/collections/%E8%BC%9D 輝(かがやき) |
※弊社の基準を参考にしています
見た目や色から判断することはできないため、必ずメーカーのカタログ表記などを確認するようにしましょう。
まとめ|砥石の色だけでは見分けられない。メーカーの情報を確認して正しく使おう。
砥石の色には、識別のために着色されたものと素材が自然に発色しているものがありました。
砥石の種類を色だけで見分けることは、基本的にできません。
砥石の番手や用途の見分け方としては、メーカーの記載を確認することが唯一の確実な方法です。
砥石を正しく使うことは、刃物の使い心地を改善するだけでなく、刃物の寿命も伸ばします。
より充実した時間を過ごせるように、ぜひしっかりと確認するようにしましょう。
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最後までお読みくださり、ありがとうございました。