最近見かけることも多く、人気も高い「セラミック包丁」。
白や黒の刃が特徴的でオシャレなキッチンにもぴったりです。
そんなセラミック包丁の特徴とメンテナンス方法を紹介していきます。
セラミック包丁とは
セラミック包丁とは、その名の通り刃がセラミックで作られた包丁のことです。
一般的な包丁に使用されているセラミックは、別の呼び名をジルコニアセラミックといいます。
ジルコニアセラミックは実は義歯にも利用されているほど強度が高く、耐熱性にも優れた素材です。
そもそもセラミックって何?
セラミックとは、狭い意味では陶磁器のことを指し、広い意味ではガラスやセメントなど、窯業製品の総称ということで使われています。
無機物を成形し加熱によって固めることで、セラミックと呼ばれるものが出来上がるのです。
実は包丁に使われるステンレス等の金属や木材等の有機物以外の素材の全てが、セラミックです。
例えば、窒化物・炭化物・酸化物・ホウ化物などや珪石や粘土など自然のものが原料になることもあります。
セラミック包丁のメリット
セラミック包丁のメリットは主に以下の4つです。
①切れ味が長持ちする
セラミック包丁は硬く、鋼やステンレスの包丁と比べて切れ味が長持ちします。
そのため、他の金属製の包丁ほど定期的に研ぐ必要がありません。
②サビない
セラミック包丁はサビることがないので、包丁を使った後のお手入れや保管がラクです。
普段のお手入れは、使用後に食器用洗剤で洗いしっかり乾燥させるだけでOKです。
中には耐熱性を生かし、食洗器対応のセラミック包丁もあります。
それに対して、鋼やステンレスの包丁を長く使う場合は、サビを防ぐための手入れが必要です。
調理の際はこまめに水分を拭き取り、月に一度は砥石を使って研がなければサビを防ぎつつ切れ味をキープすることは難しいです。
③使い勝手のいい軽さ
金属製の包丁よりも軽量で、長時間の調理でも負担が少ないです。
その軽さを活かし、子ども用の包丁としても多くのメーカーが発売しています。
④食品の鮮度
金属イオンが出ないため、リンゴやレタスを切っても切り口が変色しにくく、キレイに仕上げることができます。
また、食材に金属の匂いがつかず、食材の風味を壊さず料理を仕上げることができます。
逆に肉の脂やニンニクの強い匂いも刃に付きにくく、匂いを残さず洗い流すことができます。
セラミック包丁のデメリット
セラミック包丁のデメリットは主に以下の4つがあります。
①刃こぼれ(刃欠け)がしやすい
セラミック包丁は硬い反面、しなやかさに欠けるために衝撃に弱く、刃が欠けやすいという特徴があります。
硬い食材を切るときに力を入れて切ると、刃が欠けてしまう場合があるため、注意して使用しなければなりません。
カボチャやサツマイモなどは特に注意が必要です。
②大きい食材には向かないことも
セラミック包丁は、主に家庭での使用が想定されている商品が多いです。
そのため小さいサイズのものが多く、スイカなどの大きな食材は切りにくく感じられるでしょう。
③一般的な砥石(といし)では研げない
セラミック包丁を一般的な砥石で研ぐと、刃こぼれや刃が折れる原因となってしまいます。
セラミック包丁は非常に硬い素材のため、一般的な金属刃物用の砥石(といし)では研ぐことができません。
切れ味が落ちてきた場合、ご家庭で研がれる場合は「ダイヤモンドシャープナー」、または「ダイヤモンド砥石」を使って手入れをしてください。
またメーカーが研ぎ直しサービスを行っている場合もありますので、気になった方はぜひ調べてみてください。
④刃に食材の色が移ってしまう
セラミック包丁は金属性の包丁とは違い、長期間使用すると食材の色が刃に移ってしまう場合があります。
色移りしてしまった場合は、キッチン用の漂白剤などを薄めてつけ置きすることで色移りを緩和できる場合があります。
セラミック包丁の特徴まとめ
〇メリット
・非常に鋭い切れ味が長持ちする
・軽量で扱いやすい
・錆びない、衛生的
・食材の味を損なわない
〇デメリット
・硬い食材や衝撃に弱く、刃が欠けやすい
・大きい食材は不向き
・一般的な砥石では研げない
・刃に食材の色が移ってしまう
切れ味を長持ちさせるためのメンテナンス方法
金属の包丁は月に一度、砥石を使ってメンテナンスしてあげることが理想です。
一方、セラミック包丁の日々お手入れとしては、使用した際食器用洗剤とスポンジを使ってしっかり洗うだけで十分です。
食洗機対応の製品であれば食洗機での洗浄も可能です。
しかし製品によって注意点がある場合もありますので、確認してからの食洗器を利用しましょう。
刃が欠けてしまったり切れ味が悪くなったと感じたときのみ、ダイヤモンド砥石で研ぐことをおすすめします。
セラミック包丁を長持ちさせるための三カ条
①硬い食材は切らない。
②用途によって使い分ける。
③ダイヤモンド砥石(といし)以外で研がない。
の3点を意識していただけるとより長く快適にお使いいただけます。
さいごに
セラミック包丁は非常に優れた特長を持つ包丁ですが、使い方を間違えるとその優れた特長が台無しになってしまいます。
セラミック包丁の特性をしっかりと理解することで、包丁の寿命は大きく変わってきます。
包丁にも「適材適所」があります。
普段の調理はセラミック包丁で、硬い素材や大きい食材を切る時などは鋼やステンレスの包丁を使用するなどして使い分けることをおすすめします。
それぞれの特徴を上手く活かして、快適なキッチンライフを過ごしましょう!