フローリストナイフの研ぎ方と使い方|花が長持ちする手入れのコツ

フローリストナイフの研ぎ方と使い方|花が長持ちする手入れのコツ

料理人の包丁には「刺身包丁」や「出刃包丁」、

美容師のハサミには「セニング」や「スライド」、

バーテンダーのナイフには「ペティナイフ」や「ソムリエナイフ」

...といったように、刃物だけをとっても専門的なツールには多様な種類と名前があります。

 

今回はお花に関するスペシャリスト「フローリスト」に欠かせないツール、

"" フローリストナイフ"" についてご紹介していきます。

 

 

 

フローリストナイフとは

フローリストナイフとは、その名の通りフローリストが使用するナイフです。

植物、特に生花の茎や葉のカットに使用されます。

 

特徴としては以下の3つがあげられます。



特徴1: 生花が長持ちする

 

導管から水を吸い上げやすくするために、生花の茎をカットすることを「水揚げ」といいます。

ハサミよりもフローリストナイフの方が植物の組織を壊さずにカットできるため、

より長持ちになります。

また、斜めにも切りやすいため、吸水性のスポンジに挿す場合は特に重宝するツールです。


 

特徴2: 片手で取り扱えるサイズ

 

片手に収まるほどサイズが小さいナイフで、折りたたみも可能です。

ナイフをホールドしながら、空いた指で花を扱えるため、

フラワーアレンジメントに最適です。

 

 

特徴3: コツが必要

 

2枚の刃で挟みながら切るハサミとは異なり1枚の刃しかなく、

また宙に浮かせての作業になるため、正しく扱うためにはコツが必要です。

刃のあてる角度やナイフの引き方などを慣れながら覚えていく必要があります。



基本的な使い方

それでは具体的な使い方を解説していきます。


まず初めに「開き方」

 

刃の背にくぼみが付いているので、そのくぼみと柄の部分をしっかりと持ち開きます。

「カチッ」と音がなるまで開いたら、完成です。

バネの力で戻ろうとするため、念のため気を付けて開くとよいでしょう。


使いやすい「持ち方」

 

まず、利き手の親指を立てます。

他の4本の指でナイフを握ります。

刃は手前側に向け、親指と同じくらいの長さになるように調整します。

必ず親指と平行になるよう、かまえましょう。

 

安全な「切り方」

 

反対の手で生花の茎を持ったら、利き手の親指とナイフの間にかまえます。

刃の根本から先端にかけてを茎が通るように、斜めに引き切ります。

このとき、「利き手の形は固定すること」「茎と刃は平行にかまえること」を留意してください。

 ※フローリストナイフは基本的に片刃のため、刃が接地面に切り込む構造になっています。

 

変に刃を立てようとしてしまうと、かえって切りづらくなってしまいます。


使い終わったら「閉じ方」

 

使い終わったら、開く際と逆の手順で折りたたみます。

刃のくぼみと柄を持ち、バネに注意しながら閉じましょう。

 

 

 


お手入れの必要性と方法について

 

生きている植物を扱うため、衛生的にも物理的にも植物に負担をかけないことが重要です。

そのために必要な普段のお手入れについて解説していきます。

 

 

ナイフ用のクリーナーで刃先を清潔に保つ

 

花の茎や葉をカットする際にナイフの衛生状態が悪いと、

切り口から病原菌や最近が侵入するおそれがあります。

 

これを防ぐためにも、こまめにナイフ用のクリーナーを使用して清潔に保つようにしましょう。

使い方は簡単で、クリーナーを適量吹きかけたら、やわらかい布などで拭き取るだけです。


 

刃先を鋭利に研ぐ

 

こまめにナイフを研ぐことで、植物への物理的な負担を軽減できるだけでなく、

ケガの予防にもつながります。

今回は、砥石での研ぎ方とシャープナーでの研ぎ方の2種類をご紹介します。

 

砥石で研ぐ

フローリストナイフに対応した専用の砥石、または面取りした中砥石の一辺を使用します。

利き手と逆の手でフローリストナイフを持ちます。

人差し指だけ伸ばし、矢先の背に添える様にしましょう。

刃を手前側に向け、砥石の丸い面に対して45°を目安にあてます。

(刃の角度を参考にしてください)

利き手の指で刃を上からおさえて、手前側に引きます。

刃の根本から先端まで均等に研げたら、研ぎの終了です。

 

削れた金属片が付着していますので、新聞紙や雑巾などで擦り、その後洗浄してください。 

また、さらに切れ味を求める場合は、仕上げ砥石の使用もご検討ください。

 

TOGIBUでは、剪定バサミ用の砥石「剛研 曲線刃用砥石」を販売しています。

砥石に凸型と凹型の曲面を持たせる事により、

通常の砥石では研ぎづらいカーブのついた刃も研ぐことが可能です。

荒・中・仕上げが揃っているため、刃物の状態に合わせてお買い求めいただけます。

 

 

 

シャープナーで研ぐ

毎日のお手入れには、ナイフ用の棒状のシャープナーもおすすめです。

利き手にシャープナー、逆の手にナイフを持ちます。

 

刃の角度に合わせてかまえたら

1,背から刃まで、

2.根本から先端まで

の2つの動きを組み合わせて、斜めに研ぎます。

ナイフ側の手は動かさないようにしましょう。

 

こちらも同様に金属片を取り、洗浄して完了です。

 シャープナーは、硬度の高いダイヤモンド製のものがより効率的にご使用いただけます。

 



 

まとめ

いかがでしたか?

今回は、フローリストナイフの使い方やお手入れ情報をご紹介しました。

日頃なにげなくみかけるお花屋さんやフラワーアレンジメント。

そこには色々な技術やこだわりが詰まっていたんですね。

 

みなさんもご趣味で始められる場合や、お花のご購入される際は、

少しだけ注目してみると楽しいかもしれませんね。

 

 

TOGIBUでは、みなさんの生活が少しでも豊かになるように、お役立ち情報を発信しています。

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最後までお読みいただきありがとうございました!

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