こんにちは、ナニワ研磨工業公式通販サイト「TOGIBU」編集部です。
母の日、バレンタイン、いい夫婦の日… 身近な誰かに感謝を伝える日に選ばれる、「花」。
その鮮やかな色は、お庭やお部屋を美しく彩ってくれます。
また、たくさんのマイナスイオンに囲まれながら好みの花や植物を選ぶのも、お花屋さんならではの素敵な体験ですよね。
そんなお花や植物、ちょっとした工夫でもっとイキイキが長続きするってご存じでしたか?
今回は「切り戻し」について解説していきます。
切り戻しとは?植物を切るってほんと?
切り戻しとは、簡単にいえば「茎や枝を切って短くすること」です。
また、切り戻しに似ている工程である「摘心」や「剪定」。
これらすべて「植物の一部を除去する」作業です。
「なんでそんなことするの?」
一見ひどい行動にも見えるかもしれません。
これらは「植物が適切に生長するため」に必要な作業なのです。
経験者の方でも、うっかり混同しそうな言葉。
それらの目的と仕組みを、用語ごとに解説していきます。
切り戻しの目的と仕組み
「長く伸びすぎた枝」や「咲き終わった花がついた茎」を短く切ります。
主に1株単位で咲く花(カーネーション、ダリアなど)や観葉植物に用いられます。
目的は以下の3つです。
1.植物の健康を促進させる
2. 樹や花の形を整えてスッキリさせる
3. 病気や害虫から草花を守る
順を追って説明します。
1. 植物の健康を促進する
植物の芽は、2種類あります。
枝や茎の先端につく頂芽(ちょうが)と、枝や茎の途中から出てくるわき芽(わきめ)です。
側芽(そくが)とも呼ばれます。
切り戻しなどの剪定作業は、「頂芽を取り除き、わき芽を育てる」ことが重視された作業です。
植物には、根元から先端に向かって養分を送り届ける性質があります。
「枝や茎ごと頂芽を落とすこと=わき芽を新たな先端にすること」です。
エネルギーが無駄なく伝わることで、花や葉が生長しやすくなるというシステムです。
2. 樹や花の形を整えてスッキリさせる
特に観賞用として人気な植物は、リビングなどに置かれることも多いです。
すくすくと育つ内に、花なら垂れてしまったり、大きい観葉植物は部屋を圧迫することもしばしば。
切り戻しをすると、見た目がすっきりして、より快適な空間になります。
3. 病気や害虫から草花を守る
植物が病気となる原因は、空気や水、土の中にいる菌などです。
葉や茎など植物の表面に付着することで発症します。
また、害虫も風で飛んでくることが多いです。
切り戻しにより風通しがよくなることで、菌や虫の繁殖を抑えることができます。
刈り込み
仕組みは切り戻しと同じですが、特に群生している花(ペチュニア、宿根バーベナなど)に使われる用語です。
特定の枝や茎に対してではなく、全体的に1/2ほど短くします。
摘心(てきしん)
直接、頂芽を摘み(切り)取る作業です。
ピンチとも言います。
特にわき芽を横に伸ばすことで、「植物のボリュームを出したい」ときに行われます。
剪定(せんてい)
本来の意味は、前述の作業の総称です。
園芸やガーデニングにおいては、まとめて「切り戻し」と呼ぶこともあるため、
同義語のように扱われるケースもあるようです。
実際に切り戻してみよう - ビオラを例に
それでは具体的な手順についてです。
ガーデニングの定番ともいえる「ビオラ(パンジー)」で解説していきます。
ビオラは、開花の時期も長く、初心者でも育てやすいため人気です。
植物の種類や栽培手段によって、方法や時期が多少異なります。
購入の際に、店舗の方に直接聞くことをおすすめします。
時期・タイミング
開花期間の長いビオラは、タイミングを見極めて切り戻しをする必要があります。
以下3点のいずれかにあてはまったら、気にかけてあげましょう。
・長い茎によって、株が乱れてきたら
・枯れた花が目立ってきたら
・花の数自体が少なくなってきたら
準備するもの
前もって用意するものは以下です。
必要なもの: 切る - 植木ハサミ(木バサミ)、フローリストナイフなど
なるべく揃えたいもの: 樹液から手を守る - 手袋、または軍手
植物の切り口の回復を助ける - 癒合剤(※) ※特に樹木など
ビオラの切り戻し:基本
ビオラをよく見てみると、茎から葉が複数生えている箇所があります。
この付け根部分を、節(ふし)と呼びます。 この節のすぐ上をカットすることで、完了です。
とてもシンプルな作業ですが、季節によっては以下のことに気をつけてください。
ビオラの切り戻し:冬
枯れてしまった花のことを、花がらと言います。
秋ごろに植えたビオラは、冬には初めての花がらが目立ちはじめます。
この時期に切り戻しを行いましょう。
全体の1/2か1/3ほどの高さになるように、節の上でカットします。
そうすると春にはこんもりとボリュームのある咲き方になります。
ビオラの切り戻し:春
「株の乱れ」「茎の伸び」「花の減少」を感じたら、
その箇所を狙って部分的に行います。
冬が過ぎると、虫が活発になったり、菌が繁殖しやすくなります。
通気性の確保と同時に、株全体に日光があたることを心がけましょう。
注意!ハサミは清潔に
通年気をつけていただきたいこととして、以下があります。
植物をカットするハサミやナイフは「消毒した清潔なものを使用」するようにしてください。
前回分の土がついていたり、雑菌が多い状態でハサミを使った場合、
傷口から弱ってしまい、枯れてしまう原因にもなります。
熱湯消毒や希釈した漂白剤を使用する方法などがあります。
あらかじめ対策しておきましょう。
切り戻したお花の活用方法
愛情をこめて育てているお花。
切り戻してしまったあとでも「まだまだ楽しみたい」となるのは当然のことです。
そんなときは、背丈の低めなグラスやカップなどに挿して、室内で飾ってみるのはいかがでしょうか。
お部屋のさりげないアクセントになってくれるはずです。
飾る前には、十分に水分を吸わせるために、水に挿す側の茎の先を斜めにカット(水切り)をしましょう。
また、水に浸かる葉っぱは切ることで、水の腐りを抑えることもできます。
お花を長持ちさせるために、切り戻し以外のポイント
切り戻しなどの剪定作業以外にも、お花を長持ちさせる方法があります。
意識したいポイントを解説します。
気温、室温の範囲
植物の原生地は、世界に広がっています。
温暖な気候で育ったり、極寒の過酷な環境に耐えたりと様々です。
その植物が耐えられる「温度の範囲」を理解すると、植物にとって快適な環境づくりができます。
寒すぎると枯れてしまうものもあるため、特に「最低温度」には注意しましょう。
光の量
先の理由と同じく、光の量に関しても種類に依存します。
特にインテリアとして植物の購入をお考えの方は、置きたい場所が「どれだけ陽が当たるか」をはっきりさせましょう。
「室内か/屋外か」「日陰か/日向か」が事前にわかると、園芸店などの専門店で相談しやすいです。
切り花の場合は、『日持ち保証』を
2023年のデータでは、もっとも購入されているのは「切り花」(※)です。
半数以上である、51.8%にものぼります。
切り花は管理が楽な分、長持ちさせることが難しいと感じている方もいらっしゃるのではないのでしょうか。
その際は、「日持ち保証」の花を選ぶとよいでしょう。
日持ち保証とは、消費者に5日あるいは7日間鑑賞できることを保証したものです。
購入した場合、抗菌剤や糖質を含んだ「品質保持剤」が添付されます。
※出典:青木 恭子. 「花の消費選好2023年」. 国産花き⽣産流通強化推進協議会, 2023, 109p
もっと素敵なフラワーライフを!
いかがでしたか?
「植物は生き物だから気軽に手を出せない...」と感じていたお優しい方でも、
より身近に感じていただけたら幸いです。
自分や誰かのために、お花を買ってみるのも素敵ですね。
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最後までお読みいただきありがとうございました!