砥石のお手入れ方法

砥石のお手入れ方法

包丁をしっかりと研ぐために、砥石のお手入れも必要です。
キレイに研ぐには砥石が平らであることがとっても大切なのですが、砥石は使っているうちにどんどんと凹んでいきます。
そんな時には、砥石を平らにしてくれる「面直し砥石」の出番です。
面直しをして、日ごろから砥石のメンテナンスを欠かさないようにしましょう。



〇面直しって?



包丁を研ぐと、包丁の刃だけでなく砥石も同じように削れて減っていきます。
削れるということは擦り減っていく小さくなるということです。
砥石の全面を均等に使って研いでいけば、面もずっと平面が保たれますが、そんなわけもいかず…
どうしてもよく使う部分と使わない部分があるので、ほぼ全ての人が砥石の真ん中がくぼんだように凹みます。
真ん中が凹んだ状態で研ぐと、思うように砥げないばかりか刃の型崩れの原因にもなりますので、砥石を平面に修正する必要があります。
このように砥石の全面を削って、平面に修正する作業を「面直し」といい、面直しするための砥石を「面直し砥石」とよびます。



〇面直しはなぜ必要?



包丁を研ぐ上で大切にしていただきたいのが、平面の砥石で研ぐことです。
砥石が当たっている箇所が刃全面に当たらないと、刃も平面で研ぐことは不可能です。 凹んだ表面で研ぐと、刃も同じように丸まってしまいます。
砥石が凹凸がある状態では、自分の当てたい箇所へ上手く刃を当てれず刃の型を崩してしまう事もあります。 また、和包丁の裏面は必ず平面を維持する必要があるので、特に注意が必要です。



〇面直しはどのくらいのペースでするの?


できれば、包丁を研いだ後は毎回していただくのがベストです。
毎回は大変だと思う人も多いでしょうが、できる限りマメに面直ししていただくことをお勧めします。なぜかと言うと、砥石が大きく凹んだ状態を直すのは、非常に大変な作業になるからです。とても時間がかかるだけでなく、砥石の寿命も短くしてしまいます。
もし砥石を2枚お持ちでしたら、軽く砥石同士を擦り合わせても面を直すことが可能です。
面直し砥石を使うより少し動かしずらいかもしれませんが、無理なくこまめにメンテナンスすることが大切です。



〇面直しのやり方



面直しの方法は、特別なやり方があるわけではなく平面にしたい砥石と面直し砥石を擦り合わせるだけです。

いくつかポイントをおさえると、効率的に面直しをすることができます。


- 砥石表面に線を引く -


鉛筆や油性ペンなどで、砥石全体に十字に線を引き四つ角にチェックを入れます。
凹んでいる箇所は面直し砥石が当たらず線が消えないので、すべての線が消えるまで全面に砥石を擦り合わせていきます。


- 砥石を真っ直ぐに前後に動かす -


砥石が動かないようにしっかり押さえて、利き手で面直し砥石の真ん中を持ちます。
出来る限り力を均等にして前後に真っ直ぐ動かします。


- 砥石の上下を入れ替える -


人の手なのでどうしても均一には当てることは難しいです。
時々上下を入れ替えることでどの部分も同じように削りやすくなります。



砥石は包丁をメンテナンスする道具ですが、上手く使うにはその砥石もメンテナンスが必要です。面直し砥石は、包丁研ぎのベテランも初めての人も、砥石とセットで持っていただきたいですね。

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